ボノボのやばい生態とは?人間に近いチンパンジーの進化や行動を解説

知識

ボノボの進化

かつて地球上には今よりもたくさんの類人猿の仲間が暮らしていましたが、現在も生き残っているのは人間、テナガザル類、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボだけです。そのボノボはアフリカのコンゴ民主共和国のみに生息している動物です。

その生態の研究は遅れていますが、かなりのことがわかってきました。今からおよそ3400万年前にコンゴ川が形成されましたが、人間、ゴリラ、チンパンジーはこの川を渡ることができませんでした。しかし、180万年前と100万年前に水深が浅くなったときにチンパンジーとボノボの共通祖先が川を渡って川の内側で生きるようになって、独自の進化を遂げたのが現在のボノボです。

ボノボの暮らし

ボノボの暮らしはチンパンジーとは異なる点が多々あります。その顕著な例が女性優位社会であることです。チンパンジーは男性優位社会で、オスはメスを従えて行動します。また、オスは自身の力を誇示するためにしばしば道具を使うことが知られています。

他方、ボノボはそうしたチンパンジーとは異なり、どちらかというと女性優位社会です。移動の際はオスはメスたちの後を静かについていくのが一般的です。主導権はメスにあります。また、道具の使用についても、全く報告されていません。これは力の誇示がボノボの社会においては価値が置かれていないからです。

他にも、縄張り争いが激しくないこともボノボの暮らしの特徴でしょう。チンパンジーの場合は縄張り意識が強く、自身の群れに他のチンパンジーが入ると喧嘩になりますが、ボノボの場合はしばしばそれを受け入れることが報告されています。