今さら人に聞けない、心肺停止と死亡の違いを徹底調査

知識

死亡とは

死亡とは、法律的には心肺停止、呼吸運動の停止、瞳孔反射機能の停止の3つの兆候がすべてみられる状態を指します。したがって、心肺が停止しても心肺蘇生をしている間は、死亡とはみなしません。

胸骨圧迫やAEDで電気ショックをおこなっても心肺を蘇生できない場合には、傷病者の自発呼吸が停止し、瞳孔が開いて反応がないことを医師が確認した後、死亡と診断されます。

ニュースで「心肺停止で運ばれました」と報道されると、死亡しているのではないかと思いがちですが、日本の法律では、死亡していることを医師が判断しない限りは、死亡しているとは言えないことになります。

例外として、救急隊員が駆け付けた時、医療機関に搬送しても心肺蘇生の可能性がないことが明白であれば、救急隊員が死亡診断をすることができます。

この場合、傷病者に腐敗がはじまっていること、死後硬直し、死斑が認められること、呼吸や脈拍が感じられないこと、痛みや刺激に反応しないことなどの基準をすべて満たしていなければなりません。救急隊員が死亡診断した場合には、医療機関には搬送せず、警察官に引継ぎをします。

心肺停止しても死亡しているとは限らない

心肺停止しても、胸骨圧迫やAEDでの電気ショックで、心肺を蘇生できる可能性があります。

また日本の法律では、死亡しているかどうかは医師が判断しなければならないことになっています。

ニュースなどで、心肺停止で搬送された傷病者を「死亡した」と報じないのは、医師が死亡診断をまだしていないからなのです。